エンバーミングは必要?
おはようございます。
本日のブログは「エンバーミング」について書かせていただきます 🙂
「エンバーミング」とは一言で申し上げると、ご遺体の防腐処置です。
具体的にはご遺体の血管を切開し、血液と防腐液を入れ替えることで、ご遺体の常温での長期保存を可能にします。
エンバーミングは専門の施設で、エンバーマーという専門の技術者によって行われます。
エンバーミングが施されたご遺体は最低でも2週間程度は常温で保存が可能になります(※50日を限度に火葬・埋葬をする必要があります)。
なお、エンバーミングは欧米では少なくとも50%以上のご遺体に行われているようですが、日本での処置率は2~3%程度と言われており、一般的にはあまり多く行われているわけではありません。
その理由は第一に日本の火葬率が99%以上という点にあります。
最近は欧米でも火葬が増えてきているようですが、欧米では土葬が一般的なゆえに感染症の拡大を防止するためにエンバーミングが定着しているのだと思います。
二番目の理由はエンバーミングにかかる費用が高額な点です。
日本でエンバーミングを行うには一般的に20万円程度の費用が必要になります。
三番目の理由はご遺体にメスを入れて血液と防腐液を入れ替えることが、ご遺族にとって心情的な抵抗となるからです。
これらの理由から日本ではエンバーミングが定着していないのだと思います。
では日本では主にどのような場合にエンバーミングが行われるのでしょうか?
それを考えてみると主に次の3点が考えられます。
①遺族がご遺体の腐敗を恐れずにゆっくりと時間をかけて最期のお別れをしたい場合
②親族が海外に在住していて帰国するまでに2週間以上かかるような場合
③日本で亡くなった外国人のご遺体を祖国に空輸する場合(※海外で日本人が亡くなった場合もエンバーミングが施されて日本に空輸されます)
このようにエンバーミングを施すべきケースは限定的で、通常は必ずしも行う必要はないと個人的には思っています。
火葬場や式場の混み具合にもよりますが、基本的に東京では遅くとも死後一週間以内で葬儀を行うことが可能です。
葬儀までの間はご遺体を冷蔵の安置所に安置するか、自宅に安置する場合は納棺をした上で冷房を入れて毎日ドライアイスの処置を行えば夏場でもご遺体の腐敗を遅らせることが可能です。
そして葬儀の前日か当日に「ラストメイク」というご遺体専門の化粧をすることで、故人様を生前に近い姿に整えて葬儀を行うことが可能になります。
このようにエンバーミングは必ずしも全てのご遺体に行う必要はありません。
エンバーミングを自社の商品として全てのご遺体に行いたい葬儀社もあるようなのですが、個人的には全く賛同しません。
エンバーミングはあくまでもそれぞれのご遺族の目的に合わせて行うべきものだと思っています。
本日は「エンバーミング」について書かせていただきました。
いつも当ブログをお読みいただきまして、誠にありがとうございます 😀